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Rd.2 in 群馬レポート

走れど走れど差が付かない!
困惑の超接近戦を制するのはどのヴィッツ!?

2006年4月30日、数多くの一流ラリードライバーを輩出してきたラリーの本場、群馬を舞台にTRDヴィッツチャレンジRd.2in群馬が開催された。
週間天気予報では雨と心配されていた天気だが、さすがは高晴天率を誇るヴィッツチャレンジ、当日は晴れ間が覗く小春日和。 大型連休2日目ということもあり子供を連れてサービスに参加するサービス隊も多く、和やかなムードがスタート会場を包み込んでいた。

エントリー数は多数の初参戦組に再びヴィッツチャレンジに挑戦してきた選手たちも加わり大盛況の56台。5年目を迎え、2戦目となった今大会においても新規参戦者が多数いるというのはこのシリーズがいかに注目されているかの証拠であろう。

コース設定

今回のラリーは、スタート会場でもある関越カートランドでSS1,2を行い、その後高崎市内に移動、群馬モーターパーク(グラベルコース)においてSS3を行う。 SS3終了後、観光地として有名な榛名湖を経由して40kmほど大移動し、須賀尾ダートサーキットにおいてSS4,5,6行うといったオーダーとなっている。 榛名湖周辺は観光で賑わっており、次々と通り過ぎるヴィッツラリーカーに観光に訪れていた子供たちが手をふっていた。また、選手たちも手をふり返しつつ榛名富士を見上げる壮観な景色を楽しみながらドライブしていたようだ。

イベントデータ
主催 コルサスポーツサークル(CORSA)
開催日 2006年4月30日(日)
開催エリア 群馬県内
スタート会場 関越カートランド
サービスパーク 須賀尾ダートサーキット
ゴール会場 吾妻町立坂上小学校
セクション数
SS本数 6本
SSトータル距離 約6km
総走行距離 82km
参加台数 56台(オープンクラス24台/チャレンジクラス32台)
完走台数 45台(不出走1台)
当日の取材媒体
株式会社芸文社  プレイドライブ 6月1日売 モータースポーツ誌

SS1

カートコースを使用したSS1は非常にタイトでテクニカルな難コース。忙しいハンドル操作に追われながらも狭い道幅をいかに使い切って最速ラインをトレースできるかが勝負の分かれ目となったようだ。
オープンは1号車斉藤/佐藤組が1分8秒7の好タイムを出し、それに2号車野村/森脇組、3号車の岩波/遠山組が続くかと思われた矢先、なんと2台ともドライブシャフト破損というアクシデントに見回れ、まさかのリタイアとなってしまった。
その後各選手がなかなか10秒を切れない状況が続くが、つちや/内田組が8秒フラットのスペシャルタイムを叩き出し斉藤からベストを奪い取った。

チャレンジではなんと10秒を切り総合でも3位という好タイムで毛受/羽澄組がベストタイム。2、3番手には10秒台にのせてきた小林/保見組、鈴木/和田組がつづいた。

SS2

SS1の完全リピートコースのため、各選手お互いの走り方の研究に余年がない様子。 ベテラン選手も、近くにいる若手選手に声をかけて、コース攻略を指南していたようだ。「首をかしげている若手選手がいたらほっとけない」こうしたヴィッツチャレンジスピリットがシリーズをここまで盛り上げているのだろう。

オープンではつちや/内田組がSS1に続き2位にコンマ5秒もの差をつけたベストタイム。2番手にはチャレンジからのステップアップ組の鎌野/楯岩組が滑り込む。 3番手には斉藤/佐藤組と同タイムで食らいついたステップアップ組の中村/中村組が入った。
チャレンジではクラスで唯一8秒台に乗せてきた毛受/羽澄組が再びクラスベスト。ターマックステージでの好調さをアピールした。
2番時計は10秒を切る好タイムでチームifの目黒/目黒組が獲得。

SS3

景色の良い川沿いルートを使い高崎市内に移動し、グラベルコース群馬モーターパークに到着。 少々荒れた路面に戸惑いながらも、各選手、ライン取り研究や空気圧調整に余念がない。各選手空気圧を落とす方向のセッティングのようだが、固くしまった土質を見て舗装の空気圧のままで挑む選手もおり、こういった差がどうでるのかが非常に楽しみだ。
トップから1秒差の中に7台がせめぎ合うという混戦となったオープンでは、斉藤/佐藤組をステップアップ組の松岡/清水組が同タイムでマークしベストタイムを分け合った。 3、4番手には佐々木/飯泉組、オートバックス増川/山村組がコンマ差で続く。
チャレンジでは内田/舘野組が総合でも9番手というオープンクラスに迫る好タイムでクラスベスト。 2、3番手にはコンマ差で鈴木/本間組、富積/吉野組が続き、チャレンジクラスでもコンマ差の争いが展開された。

サービスパーク

榛名湖の景色を楽しんだ選手たちはSS4,5,6が行われる須賀尾サーキット(グラベルコース)に到着。 先回りしていたサービス隊と合流し、しばしの休息。 用意されていたお弁当を頬張りつつも午後のセッティングやコースの研究に余念がない。
また、会場にはかつてシリーズに参戦していた選手たちも訪れて談義に花を咲かせていた。

 

SS4

SS4,5,6は平坦なパイロンセクションから一気に30mほど駆け上り連続タイトヘアピンをこなし、SSゴールに向かって一気に駆け下るというダイナミックな設定の3次元ステージ。 色鮮やかなオートバックスカラーで須賀尾を豪快に駆け上った増川/山村組がオープンベストタイム。 2番時計はターマック、グラベルと路面を選ばない強さを身につけてきた佐々木/飯泉組が獲得。SS3でベストの斉藤/佐藤組はコンマ差で3番手に踏みとどまる。
チャレンジクラスでは前回優勝のみつなり/蟹江組が2番手に2秒近い大差をつけクラスベスト。 2番手には、原田/鈴木組、前田/鈴木組が同タイムで入る。

SS5

SS4からパイロンセクションに小変更を加えてたリピートコース。
パイロンの周り方を逆転するなどの変更のためドライバー達はコドライバーと綿密に打ち合わせをしていたようだ。

SS5、オープンはつちや/内田組、松岡/清水組、鎌野/楯岩組の3台が同タイムでベストという超接近戦となった。2番時計には「今日はちょっとした差であっという間に置いて行かれる」というベテラン鷲尾/藤原組がコンマ0.1秒差で続く。
チャレンジでは再びみつなり/蟹江組がクラスベスト。
2番手にはSS4で痛恨のミスコースをしてしまった鈴木/本間組が入る。SS3,5と好調なダート走行が続くだけに残念だ。

SS6

SS4,5からさらに拡張を施した本日最長SS。 今大会最終SS!あとは走りきるのみ!各選手、果敢にステージにアタックしていった。
オープンでは松岡/清水組が2番手に0.8秒もの大差をつけるスペシャルタイムで会場を驚かせた。2番手は杉浦/竹下組、3番手には増川/山村組。今回粘り強く好タイムを残し斉藤/佐藤組と優勝争いを展開していたつちや/内田組は4番手タイムをマークし、コンマ差で斉藤/佐藤組を下し見事優勝をもぎ取った。
チャレンジでは内田/舘野組がSS3に続きクラスベストタイムで3位表彰台を決める。2番手は松本/丸山組がもぎ取りクラス入賞を勝ち取った。そしてみつなり/蟹江組が3番手タイムで手堅く走りきり見事クラス優勝を手中に収めた。

表彰式

各選手SS6終了後、会場のほど近くにある吾妻町立坂上小学校体育館に設置されたゴール会場に移動。 ちょうど満開を迎えた桜が選手達を向かい入れた。
今回のゴール会場で一番多く耳にした話題はタイヤ。 今年からダンロップ85-Rワンメイクとなったヴィッツチャレンジ、ワンメイクとはいえ、このタイヤには「S」「DT(※)」「DT2」の3種類のコンパウンドがあり、各選手それぞれのコンパウンドをチョイスしている。
前後で違うコンパウンドを使うなどの工夫をしている選手もおり、意外に奥深いコンパウンドの差が今後どのようにタイムに影響してくるかが非常に楽しみだと言う選手も多かった。 (※:「DT」は在庫限りで終了)

オープンクラス

混迷の大接戦を制したのはMr.ヴィッツことつちや選手。ここ最近調子が上がらず苦戦していたつちや選手だが、今回は2位斉藤/佐藤組をコンマ0.2秒差で押さえきるという強さを見せ見事優勝。会場からは祝福の歓声があがった。 前回優勝のヴィッツマイスター斉藤/佐藤組も見事に2位表彰。 そして斉藤と同じチームに所属の若手、松岡/清水組がなんと3位表彰台。彼らは昨年のチャレンジクラスからのステップアップ組でもあり今後の成長が期待される一幕となった。

チャレンジクラス

Rd.1につづきオープンクラスに迫る速さを見せつけたみつなり/蟹江組が見事優勝。 また2位の前田/鈴木組、3位の内田/舘野組も同クラブの所属となっており、表彰台独占でチームの強さをアピールする形となった。