Rd.3 in 高山レポート
早くもシーズン中盤に突入!/憧れの林道SSに燃えるヴィッツチャレンジャー
美しい山岳地帯が広がる新緑の岐阜県高山で2006年5月28日(日)「TRDヴィッツチャレンジRd.3 in 高山」が開催された。 山の雨が降る中、時折晴れ間も覗かせるすがすがしい陽気でのラリーとなった。 本格林道SSが中心となる高山戦は美しくダイナミックな景観とあいまって、毎年エントラントにも好評のラリー。 林道中心のこのラリーでの勝利は選手たちにとって憧れの一つになっている。
スタート会場となる「ほうのき平スキー場」は、これからの季節乗鞍観光の基地となるバスターミナルとなり、観光客らは色とりどりにカラーリングされたラリー車に声援を送っていた。 参加台数も多数の初参加者を加え、ほぼフルグリッドに近い59台という盛況ぶりで、ヴィッツチャレンジが益々注目されてきていることをうかがわせる。
先行車に、新型ヴィッツラリー車登場?!
もうひとつ今大会の目玉として、先行車両[00]として新型ヴィッツ(NCP91)が登場したことがあげられる。 仕様はラリー仕様ではなく、レース仕様であったが、マッドフラップなどのラリー装備もつけてあり、このままラリーに参加しても違和感はないまでに仕上がっていた。先行ドライバーを務めた天野選手からは、「非常に走りやすく、このままでもラリーに使えますよ!」と早くもNCP91にラブコールを送っていた。
主催 | 松本カースポーツクラブ(MCSC) |
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開催日 | 2006年5月28日(日) |
開催エリア | 岐阜県高山周辺 |
スタート会場 | ほうのき平スキー場 |
サービスパーク | ほうのき平スキー場 |
ゴール会場 | 丹生川文化ホール |
セクション数 | 1 |
SS本数 | 6本 |
SSトータル距離 | 約15km |
総走行距離 | 120km |
参加台数 | 59台(オープン25台、チャレンジ34台) |
完走台数 | 55台(不出走2台) |
株式会社芸文社 プレイドライブ | 7月1日売 | モータースポーツ誌 |
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いよいよスタート
スタート会場では今シーズン初となる林道ラリーのため、やはりペースノートの話題が盛んであった。 本来、ペースノートは企業秘密と言えるほど他人にはなかなか見せないものであるが、ヴィッツチャレンジではベテラン選手がペースノート作成に慣れない選手に昨年のノートを見せながらアドバイスをするなど、非常にオープンに情報交換していた。
「ペースノート走行の楽しさをみんなで味わおう」というヴィッツチャレンジ精神の現れなのだろう。 早朝から集まったエントラントは雨・霧・晴れ間とめまぐるしく天候が変化する中、参加車は「ほうのき平スキー場」をスタートしていく。
SS1
スタートしてすぐに、スキー場への取り付け道路と駐車場を利用してのSSセクションとなる。 距離は1kmほどであるが、舗装道路からグラベルの駐車場へと路面が変わり天候ともあいまってなかなか走りごたえのあるSSとなったようだ また、天候の変化がめまぐるしく、出走順によって様々な状況での走行となった。 ここでのベストタイムはオープンクラス杉浦/竹下組、チャレンジクラスはみつなり/蟹江組がゲットする。
SS2
ほうのき平から国道158号線を西へとり、SS会場となる林道へと競技車は移動する。 この頃には一時雨脚も強くなり、雨量によるタイム差も懸念される。 この林道は全長9kmほどあり頂上の一部を除いて舗装化が進んでおり、3.5kmのターマックコースとして使用された。
このSSでトップを取ったのはオープンクラスでは岩波/遠山組で2番手にはつちや/内田組が続く。 チャレンジクラスは、一時的な大量降水のために計測器のトラブルが発生しキャンセルとなるトラブルが発生した。
SS3
林道SS終了後からは、やや長いトランスポート区間をへて再びほうのき平に戻る移動となる。 この林道がゴールデンウィーク連休中にはまだ雪が残り、通行できなかったことを誰が予想しよう…。
SS3はSS1とほぼ同じコースとなるが、ここにも落とし穴がありパイロンで設定されたコースが逆周りとなっており、しっかりとしたナビゲーションをコドライバーがしないとミスコースをしてしまうことにもなりかねない。
このSSを制したのはオープンクラスは斉藤/伏谷組で2番手には岩波/遠山組が続く。一方チャレンジクラスのみつなり/蟹江組は総合でも4番手につける快走を見せた!
サービスパーク
SS3終了後にスタート地点でサービスとなる。このあたりから雨も小康状態になり時折日差しも顔を覗かせた。 各エントラントは昼食もそこそこに林道SSのペースノートなどの情報収集に余念がない。
ヴィッツチャレンジでは参加者には昼食が用意されるのだが、高山でもサービス隊が来ているチームも数多く見られ、参加しなくても楽しむことができるモータースポーツの良さが垣間見られる気がする。
SS4
このSSは、SS1と同じコースを走る約0.9kmのターマック−グラベルのミックス路面だ。さすがに各参加者ともタイムを詰めてきており、中には10秒近くタイムアップするクルーもいた。
このSSのオーバーオールトップタイムは、全日本ダートラや海外ラリーでも活躍する赤羽/赤羽組だった。
SS5
SS2と同じ距離で実施されたこのスペシャルステージ。雨も上がり、ウェットからドライへと路面も刻々変化する中でのアタックとなる。
このSSも2回目のトライということで各車タイムアップが著しい参加者も多く見られる。そんなステージを制したのは、オープンではゼッケン1の斉藤/伏谷組。 チャレンジでは勅使川原/宮下組であった。 勅使川原組は他のラリーでもターマックは速いところを見せていたが、ここに来て本領発揮ととばかりに総合でも5番手に入るタイムをマークし、チャレンジクラスの優勝候補にまで躍り出た。
SS6
今回のラリーのハイライトとなる5.3kmの最長SS。
SS2・5のコースにややハイスピードな林道部分を追加したコースレイアウトとなる。
この頃になると路面もほぼドライとなり、絶好のコンディションでのSSトライとなった。
SS6のトップタイムをマークしたのは、斉藤/伏谷組でこれはさすがといったところであるが、2番手タイムはなんとチャレンジの勅使川原/宮下組がマークする。 3番手タイムは岩波/遠山組であった。
表彰式
すべてのSSを終えた競技車は、ゴール地点でもある「丹生川文化ホール」へと向う。朝の天気が嘘のように回復した奥飛騨ののどかな景色を眺めながらのリエゾンとなった。今回のヴィッツチャレンジに観戦に来られていたトヨタ自動車のヴィッツチーフエンジニア井上雅央氏のご挨拶もあり、和やかなうちに表彰式も無事終了した。
オープンクラス
SS5・SS6を僅差ながらも制した斉藤邦夫/伏谷裕士が、今期2度目のウィナーとなる。2位には各SSで好タイムをマークしながらもトータルで3秒及ばなかった岩波敏樹/遠山裕美子組が、3位には昨年の長いスランプを脱した感のあるつちや勝/内田園美組がRd.2に続き連続入賞を果たした。
チャレンジクラス
勅使川原隆弘/宮下和彦組が嬉しい初優勝を飾った。 特に勅使川原は昨年のこのラリーで悔しいリタイヤをしているだけに嬉しさもひとしおであろう。 2位にはSS6で逆転されたみつなり/蟹江清組が、3位は今年に入って好調のレディースクルー毛受広子/保見加織組がゲットした。