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Rd.4 in 信州レポート

ヴィッツチャレンジ新記録!/ついに63台ものヴィッツが信州に集結!

2006年7月2日(日)「TRDヴィッツチャレンジRd.4in信州」が開催された。シリーズはいよいよ後半戦に突入。 ラリーの舞台となった車山高原周辺はスキー場を始め多くのレジャー施設をはじめ、美しい景観のヴィーナスラインや白樺湖などの観光スポットがあり行楽客で賑わう場所。 ヴィッツチャレンジでは初めて使われるということもあり、以前から選手たちの期待も高まっていたのだが、その選手たちを驚かせたのは車山観光協会のおもてなし。

 ラリー前日にはWRCさながらのウェルカムパーティが催され、ラリー関係者や選手たちは美味しいご馳走を頬張り、お餅つきなどを楽しみながらラリー談義に花を咲かせた。パーティの後は用意されたバスで100人以上の選手たちを各ペンションへ送りとどけるという徹底したサービスぶりであった。新旧ラリードライバーが集まるヴィッツチャレンジ、こういったパーティはベテランラリーストにとっては昔を懐かしむ同窓会のようなもの、若手ラリーストにとっては交流を広げるのに良いチャンスの場、どの選手も楽しんでいる様子だった。

一夜明けて大会当日。 ゴール会場となる車山高原スキー場には「TRD」「AUTOBACS」「ARUZE」「DUNLOP」「PHILIPS」といったスポンサー旗が色とりどりに掲げられ、大会の雰囲気を盛り上げていた。 今回集まったヴィッツラリーカーはなんと63台!ヴィッツチャレンジ新記録であった。ヴィッツチャレンジでは、JAFの特認として、本来の参加台数である60台MAXをオープン・チャレンジ両クラス併せて75台まで許されている。


イベントデータ
主催 チームプロクルーズ(T-PROCREWS)
トヨタモータースポーツクラブ(TMSC)
開催日 2006年7月2日(日)
開催エリア 長野県内
スタート会場 車山高原スカイポート
サービスパーク 車山高原スカイポート
ゴール会場 車山ハイランドホテル
セクション数
SS本数 6本
SSトータル距離 約8.0km
総走行距離 105km
参加台数 63台(オープンクラス28台/チャレンジクラス35台)
完走台数 60台(不出走0台)
当日の取材媒体
株式会社芸文社  プレイドライブ 8月1日売 モータースポーツ誌

いよいよスタート

今回の目玉はなんと言ってもグラベル林道が用意されているということだ。 ブリーフィングでは林道SSに関する注意事項が念入りに説明されていた。選手達も久々のグラベル林道ということもあり真剣に聞き入っていた。

SS1

SS1、SS2はスタート会場近くのグランドにパイロンを配置したグラベル版ジムカーナといったコース設定だ。ギャラリー、サービス隊が見守る中、各車元気よくスタートして行く。 本日ベストタイム第一号は斉藤/伏谷組。さすがは全日本ジムカーナチャンプとあって、パイロンコースでいかにタイムを削るかを良く知っているようだ。2番手には全日本ダートトライアル選手でもある太田/橋本組が滑りやすい路面を制して飛び込む。

チャレンジクラスでは、シリーズリーダーのみつなり/蟹江組が早速のクラスベスト。ここのところメキメキと成績を上げてきている内田/舘野組がセカンドベストでコンペラリーチームの強さをアピールした。

SS2

SS1終了後、女神湖方面へ移動しSS3と4のレキを行い、再び車山高原へ戻りSS2。生憎の雨が降り出しSS1の時とは状況が一変、滑りやすい路面に各選手、悪戦苦闘していた。ここでも強さを発揮したのは斉藤/伏谷組でベストタイム。2番時計にはパイロンに強い佐々木/飯泉組。これとほぼ同着タイムでつちや/内田組が3番手に滑り込む。

途中からの激しい雨の影響でオープンとはかなり差が出てしまったチャレンジクラスでは、原田/伊藤組が堅実な走りでクラスベスト。沼地のような状態になってしまったコースではラインを外さないよう慎重に攻めた選手に軍配が上がったようだ。

SS3

SS3はおまちかねのターマック林道SS。1キロほどの林道ではあるが、150Mの直線からタイトなコーナーを抜けるテクニカルなポイントもあり、タイム差の出るコース。先ほどのレキで作成されたペースノートのみが頼りの綱だ。
本日林道一本目を制したのは、ヴィッツ林道スペシャリストの異名を持つ野村/森脇組。2番手には「林道ではまだまだ若い者には負けられない」とベテランの鷲尾/豊田組。

チャレンジクラスではみつなり/蟹江組が強さをみせベストタイム。 そのすぐ後にコンマ差で藤田/藤田組、毛受/保見組が続く接戦となった。

SS4

ヴィッツチャレンジ久しぶりのダート林道となるSS4。路面は浮き砂利でとても滑りやすい状態。ステージ中盤にロングストレートがあり、ここで臆すること無くいかにスピードを乗せて行くかがタイム差につながるようだ。好位置に付けていた、つちや/内田組が痛恨のコースオフという波乱の展開となったオープンクラスではチームイフの田島/畠山組が念願のベストタイム。2番手にはグラベル林道でも強い野村/森脇組。3番手にはSS2で大幅にタイムロスしてしまった赤木/赤木組が怒濤のペースアップを見せ上位に食い込んだ。

チャレンジではみつなり/蟹江組がオープンのベストタイムにも匹敵する好タイムでクラスベスト。

サービスパーク

激しい雨に見舞われてしまいサービス隊にとっては厳しい状況。それでも各チーム張り出されたSSタイムを参考に午後のステージの攻略に余念がない。

SS5

濃霧に視界がさえぎられ、激しい雨によりコース上に大きな水たまりができてしまい、オーガーナイザーはSSキャンセルの判断。選手と車両の安全を考慮した上での決断となった。

SS6

最終SSは、SS3とSS4をあわせたコース。ターマックとグラベルがミックスされた林道。「ターマックからグラベルの切り替わりポイントでは思わず目をつぶってしまうぐらいの勢いで勝負しました」とは好タイムの野村選手。ペースの切り替えをいかに上手く行えるかが勝負の鍵となったようだ。シリーズポイントリーダーの斉藤/伏谷組を初め強豪選手が苦戦する中「死ぬ気で突っ込んだ」という野村/野森脇組がスペシャルタイムでクラスベスト、優勝を手中に収める。ステップアップ組の鎌野/楯岩組が野村選手に続くスペシャルタイムでセカンドベストで一気にジャンプアップして表彰台の一角をもぎとった。3番手には「林道では負けられない」鷲尾/豊田組が食い込み見事総合2位の座を手にした。

チャレンジではみつなり/蟹江組がクラス2番手に10秒近い差を付けてのクラスベスト&優勝を決める。2番手には樺澤/小松組が好タイムで食い込みクラス4位入賞を獲得。

表彰式

オープンクラス

「今日は強い『斉藤』が二人もいたので、一本だけでもなんとかベストタイムを出そうとがんばりました。」という野村/森脇組が「死ぬ気」のスペシャルで林道SSを制して優勝。 「林道ではまだまだ若い者には負けられないという覚悟で挑みました。」という鷲尾/豊田組が見事に若手(?)選手に競り勝ち総合2位。「今年は表彰台に上れないかと思いましたが地元で上れることができてホッとしました(コ・ドライバー/楯岩選手)。」と3位表彰台はステップアップ組の鎌野/楯岩選手。

チャレンジクラス

「タイヤのバランス調整といった細かいところから徹底的にマシンを整備させました。(コ・ドライバー/蟹江選手)」と今期3度目のクラス優勝を果たしたのはみつなり/蟹江組。 「悪天候で混乱して一時はどうなることかと思いました。」という内田/舘野組が堅実な走りで2位表彰台。 「今日は出遅れたと思いましたがあきらめずに走りきりました。」と前回の林道ラリーを制した勅使河原/宮下組が最後は帳尻を合わせ見事表彰台を獲得した。


林道ラリー2連戦を終え新たな展開を見せ、ポイント争いは益々混迷を極めるヴィッツチャレンジ。
選手達の成長が証明される後半戦、次回はハイテンポなラリーとして好評の「Rd.5in中部」が8月13日(日)に開催!

写真協力 - プレイドライブ