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Rd.5 in 中部レポート

ハイテンポなラリーが好評のRd.in中部/オープンクラスは早くもチャンプ決定!!

2006年8月13日(日)「TRDヴィッツチャレンジRd.5 in 中部」が開催された。 いよいよ終盤戦にさしかかったヴィッツチャレンジ。 中部ラウンドは今年も幡豆町の全面的なバックアップを受けての開催となり、スタート会場となる幡豆町役場では周辺の住民の方々も見物に訪れるなど、続々と集まる色とりどりのヴィッツラリーカーを歓迎ムードいっぱいに出迎えていた。
毎年、ハイテンポなラリーとしても好評な中部ラウンド。今年はさらに公道(町道)SSが加わり、早朝のレキを終えた選手たちはペースノートを手に「(SSの)距離は短いがそれでもペースノートは重要! ペースノート走行することがいまから楽しみ」と期待を膨らませていた。

さらに、今回は幸田サーキットに於いて前日練習会が行われ、本番と同じコースとはいかないものの、本番と同じサーキットを使って、ライン取り、タイヤの使い方、シフトのタイミングなどをベテラン選手が若手選手に熱心に指導していた。
また、上位選手たちも数セットのタイヤを持ち込みテストするなど、ヴィッツラリーカーのセッティング出しに余念がない様子だった。まさに至れり尽せりのヴィッツチャレンジであるが、こうした活動が将来性のあるラリードライバーを生み出しているのも事実であり、また、幅広い方々に本格的なラリーを気軽に楽しんでもらえる要因となっているようだ。


イベントデータ
主催 ラリーチームビー(RTB)
ソモスモータースポーツクラブ(SOMOS)
ソモス株式会社
開催日 2006年8月13日(日)
開催エリア 愛知県内
スタート会場 幡豆町町役場
サービスパーク 幸田サーキット
ゴール会場 幡豆町町役場
セクション数
SS本数 8本
SSトータル距離 約8.8km
総走行距離 約100km
参加台数 .44台(オープンクラス20台/チャレンジクラス24台)
完走台数 40台(不出走0台)
当日の取材媒体
プレイドライブ 株式会社芸文社 8月1日売 モータースポーツ誌
CATVキャッチネットワーク 株式会社キャッチネットワーク 8月16日OA CATV
カーアンドレジャーニュース カーアンドレジャーニュース 掲載日未定 トヨタ販売店向け冊子
三河新聞 三河新聞社 掲載日未定 地方新聞
カーライフサポートマガジンGet 有限会社ジープレス 8月27日発売号 ミニコミ誌

いよいよスタート

今回のラリーは午前中に舗装町道2本と幸田サーキット2本のターマックSS、午後に採石場を利用したグラベルSS4本と、午前午後でまったく異なったサーフェイスを楽しめる設定。

例年どおり今年もハイテンポなラリーが展開される中部ラウンドは、忙しさの中でも自分のペースをつかみ、確実に走りきった者が勝利するラリー。 各々の目標を達成すべく選手たちはステージに向かう。

SS1

本日1本目から町道ステージと少々緊張感が漂うSSスタート地点であるが、今年、多くの林道SSをこなして来た選手たちはペースノートの確認などを手馴れた様子で行っていた。 

オープンクラスでは、過去の林道SSにおいて2番手に10秒以上もの大差をつけた実績がある野村/森脇組が、見事にベストタイム。しかしながら、2番手斉藤/板倉組、3番手岩波/遠山組もコンマ差でマークしていることを考えると、今年はますます実力が拮抗してきていることを印象づけた。

チャレンジでは波乱の幕開けとなり、クラスランキング1位で一番手走行のみつなり/蟹江組が痛恨のミッショントラブルで走行を断念。さらにゼッケン37番和田/和田組、ゼッケン39番黒柳/久保田組が無念のコースオフで戦列を去るという荒れた展開になった。そんな中、オープンクラスに割って入るタイムで難関を突破した内田/舘野組がクラスベストを獲得した。

SS2

ほんの少しのロスでも大きな順位差がついてしまうサーキットステージ。サービス、応援に駆けつけた仲間達に加え、ラリー開催を聞きつけた一般ギャラリーも数多く見守る中、各選手、元気よくスタートして行く。

「サーキットでは全く差がつかない」という言葉通り大接戦となったオープンクラスを制したのは岩波/遠山組。接戦の中での2番手タイムに対するコンマ7秒の差は逆に大差と言えるだろう。

チャレンジでは、SS1でクラス2番手だった原田/伊藤組がペースを繋いでクラスベストタイム。2番手には前々回優勝の勅使河原/宮下組が僅差で続いた。チャレンジクラスでもなかなか差がつかない展開になりそうだ。

SS3

「路面状況」「ガードレールの状態」「道幅」「警告版」「地域の協力」。 全ての「安全性」を完璧にそろえて用意したという、主催者の渾身の結晶でもある町道を走りきる喜びをヴィッツチャレンジャー達は知っている。

『やっぱりペースノート走行は楽しい!!』

先の見えないコーナーに普段ひとりで走っている時では考えられないくらいのスピードで飛び込んでゆく。 そして選手たちはペースノートに更なる改良を加えタイムを更新すべくステージにアタックしていく。 本日2本目の町道SSを制したのは、今年、あらゆるステージで強さを見せている岩波/遠山組。 そのタイムにわずかな差で野村/森脇組、斉藤/板倉組が同着2位で続く。

チャレンジでは総合5番手というスーパータイムをたたき出した内田/舘野組が本日の町道SSを2本とも制する形となった。

SS4

ターマックステージはこれで最後、僅差の争いを制するべく、さらにシビアな攻略が求められるステージとなった。 

本日最後のターマックステージ、決着を付けるべくベストをもぎ取ったのは斉藤/板倉組。しかし岩波/遠山組がコンマ差で続き、堂々の2本のSSベストを獲得して午前のターマックセクションを見事に制した。

チャレンジクラスを制したのは現在シリーズクラス3位につけている女性コンビ毛受/保見組。オープンクラス同様、接戦となったチャレンジクラスターマックセクションを制したのは内田/舘野組となった、後続の鈴木/後藤組との差は僅か0.4秒であった。

サービスパーク

久々の快晴となった中部ラウンド。 各チームのサービス隊は真夏の太陽にめいいっぱいの汗で答えていた。 サービス作業を終えた選手たちは木陰でお弁当を頬張りながらしばしの休息、暑さを忘れラリー談義に夢中になっていた。

午後は全てグラベルステージのため、選手たちは前輪に山有りタイヤ、空気圧低めのセッティングを施している様子。

SS5

いよいよグラベルステージ。「意外に早く出現するパイロンターンに戸惑ってしまうと失速してしまい直後の深い砂利路面に足をすくわれてしまう。」広い採石場をめいいっぱい使ったステージはテクニック、スピード、あらゆる要素が要求される。

本日1本目のグラベルSSは「今日はなぜかグラベルが絶好調」と全日本ジムカーナチャンプの斉藤/板倉組が、グラベルが得意な岩波/遠山組、鷲尾/豊田組を1秒3という大差で引き離すという展開となった。

チャレンジクラスでは唯一、1分の壁を打ち破った鈴木/後藤組がクラスベストでクラストップに立った。

SS6

「すごい所を走るものなんだな!」、「WRCのステージのようだ」、観る者を驚かせたダイナミックなステージ。 細い道幅の中から最速のラインを見つけ出しつつ砂利の山をヴィッツラリーカーが駆け上っていく。

SS5に引き続きオープンベストを獲得したのは斉藤/板倉組。 続く2番手にはその斉藤選手の愛弟子である松岡/清水組。 ステップアップ組である彼らだがここ一番のタイムが安定して出し、成長を示していた。

チャレンジクラスベストは原田/伊藤組がうれしいクラスベストでトップ争いに加わった。また、SS6とSS7の間には、幡豆町観光協会の好意で冷たい飲み物のドリンクサービスまで用意され、参加者も一息ついて次のアタックへ鋭気を養っていた。

SS7

テクニカルなセクションとスピーディなセクションがはっきりと分かれるこのステージ。 ペースをうまく掴み取った者こそが最速となる。

オープンクラスベストは斉藤/板倉組でなんと4連続ベストタイムというすばらしい記録を打ち立てた。 しかし岩波/遠山組もセカンドタイムで猛追撃し最終SSに望みをつなげた。

チャレンジでは、内田/舘野組がクラスベストで現時点トップの鈴木/後藤組に食らいつく。セカンドタイムにはグラベルセクションに入ってからスパートをかけてきた吉村/小泉組が入り、表彰台争いに加わった。

SS8

爆煙のように砂煙を巻き上げて走って行くヴィッツラリーカーが観る者を驚かせる最終ステージ。 SS6のリピートとなるこのステージの鬼門はやはり最後の急坂、手前の下りからのスピードをいかに繋げるかが肝となった。

本日最終ステージを制したのは、表彰台を狙っていたステップアップ組の2台。鎌野/下里組がクラストップを走る斉藤/板倉組に1秒以上の差を付ける力走でベストタイム。松岡/清水組も斉藤組をしのぐタイムでセカンドタイム。近年のWRCの世代交代を連想させるような活躍を見せた。

チャレンジではクラス首位を走っていた鈴木/後藤組が失速、総合5番手と文句なしのタイムでその隙をついた内田/舘野組が見事に逆転優勝を果たした。

表彰式

オープンクラス

「今日はなぜだかグラベルの調子が良かった」という斉藤/板倉組が「4連続ベスト」というおまけ付きで見事に優勝。 そして今回の優勝で5年目を迎えたヴィッツチャレンジのシリーズチャンプを決めた!「今日はなぜか舗装が調子良かった、グラベルでは油断したかな」という岩波/遠山組が最後まで斉藤組を追撃しての2位表彰台。
「グラベルで差を付けられてしまった、練習が必要ですね」と、野村/森脇組が若手選手の猛追をかわして3位表彰台であった。

チャレンジクラス

「町道SSでのペースノート走行は本当に楽しめました」との言葉通りクラスベストで町道SSを制した内田/舘野組が見事にチャレンジクラス優勝。「あと一歩だった、まだ上を目指します」という鈴木/後藤組が最後の最後に逆転されはしたが見事に2位表彰台を獲得した。 「ヴィッツチャレンジに挑戦して3年目でやっと表彰台に上れました。これからもさらに上を目指したいです。」という原田/伊藤組が成長を見せ3位表彰台となった。


斉藤選手のシリーズチャンプ決定というめでたいラリーとなった中部ラウンド。 次回は長野県北部に舞台を移して最終戦となる。 次戦まで2ヶ月と言う長いインターバルとなる本シリーズ。しかし、目標を達成すべくヴィッツチャレンジャーの挑戦は続くであろう!さらに成長した選手達の姿を見れることが今から非常に楽しみだ! 次回シリーズ最終戦「Rd.6in長野」は10月22日(日)に開催!

写真協力 - プレイドライブ