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関東エリアの本格グラベル林道を思いきり堪能。『Rd.4 in信州』

 2007年6月30日(土)〜7月1日(日)にかけて、長野県・車山高原スキー場を中心に『TRDヴィッツチャレンジRd.4in信州』が開催された。

今大会はなんといってもヴィッツチャレンジ史上初となる2レグ制(2DAYイベント)となる。 LEG2はLEG1のタイムにより出走順を変更するなど、WRC(世界ラリー選手権)を踏襲するルールを採用し、本格的なものとなった。

舞台は、過ごしやすい気候と景観が非常に優れた車山高原/白樺湖/蓼科。 ご周知のとおり、リゾートとして人気のスポットで、ヴィッツチャレンジ開催当日も、まさに多くの観光客が訪れていた。


イベントデータ
主催 コンペラリーチーム(C.R.T)
チーム林道エイト(TR-8)
開催日 2007年6月30日(土)〜7月1日(日)
開催エリア 長野県内
スタート会場 車山高原スカイポート駐車場
サービスパーク 車山高原スカイポート駐車場
ゴール会場 車山ハイランドホテルイベントホール
レグ数
セクション数
SS本数 10本
SSトータル距離 約18km
総走行距離 約160km
参加台数 52台(クラス1:9台/クラス2:17台/クラス3:26台)
完走台数 45台(不出走0台)
当日の取材媒体
日刊自動車新聞 日刊自動車新聞社 7月中旬取材内容告知 自動車関連新聞

ステージ概要

SS1/SS7

1レグ、2レグそれぞれのフ1amあまりのロングストレートからのタイトヘアピンがあるなどテクニカルな一面もあるようだ。

SS2/SS5/SS8

「2in1スキー場」裏手の林道を使用する。通称「ツーインワン」と呼ばれ、関東地区では古くから親しまれてきたステージで、「久しぶりに走ることができてうれしい」というベテラン選手もおり、今大会の目玉のひとつと言えそうだ。

SS3/SS6/SS9

車山高原スキー場敷地内のグランドを使用した特設ステージ。毎年秋には「ファミリージムカーナ」と称したトライアルイベントが開催されるなど、車山高原のペンションオーナーの方々が一生懸命整備した自慢のスペシャルステージである。

SS4/SS10

SS1、SS7でも使用される林道のフルコースバージョン。ステージ前半はターマック、後半はグラベル路面となっており、頭をいかに切り替えてドライビングできるかがキモとなりそうだ。

いよいよスタート!

レキは土曜日の午前中、全日本ラリー選手権と同様に、2回行われた。 これは競技をより安全に実施するためと、コ・ドライバーの役割を明確かつ重要とするためのものである。  今回は昼からのスタートとなったこともあり、会場はゆったりとした雰囲気でのスタートとなった。 彩り豊かなヴィッツが元気よくスタートする会場には、前日宿泊した選手たちを見守るように様子をうかがうペンションオーナーの方々や、車山高原に訪れる観光客も足を止めて見守っていた。

レグ 1

セクション 1

セクション1は、SS1からSS3までの構成。 「ターマック林道」「グラベル林道」「グラベルジムカーナ」と今大会に登場する全てのステージ要素が揃う。 各選手はスタートダッシュを決めるべく、果敢にステージへと挑む。

クラス1

「前回は得意な林道で斉藤選手に完敗してしまったので、今回は一から練習をし直してきました。」という野村/森脇組が、SS1で見事に斉藤/頭川組を抑えてベストタイム。 野村組にとっては幸先の良いスタートを切ったと思われたが、続くSS2、SS3では増川/馬場組が連続ベストを決め、トップでセクション1を通過。 また、前回からクラス1へとステップアップした鎌野/竹平組が2番、3番手タイムを並べ好走をみせている。 今シーズンこれまでは独走状態だった斉藤組にとっては油断ができない状況となってきたようだ。

クラス2

SS1は、前回3位の佐々木/内田組がベストタイム。 続くSS2、SS3では昨年のチャレンジクラスからのステップアップ組である内田/足立組が連続ベストをマークし周囲を驚かせた。

クラス3

Rd.2で優勝を果たした本間/坂本組がSS1、SS3とベストタイムでセクション1をトップで通過。 そこに前回優勝の畠山/石倉組がSS2のグラベル林道で強さをみせ、ベストタイムを獲得。 本間組に僅差で続く形となり接戦を予想させる。

セクション 2

SS1の林道ステージのフルコースとなるSS4、SS2のリピートと林道づくしのセクション2。 レグ1最終となるSS6「車山高原特設ステージ」では、レジャーに訪れた観光客が元気良く走るヴィッツたちの姿に思わず車を止めてしばしの観戦を楽しんでいた。

クラス1

SS3終了後のリグループTC(タイムコントロール)で、斉藤組が9分ものペナルティを受けてしまうという波乱が起こってしまった。 先頭車両の難しさが出てしまったようだ。 野村組がSS1に続き2本の林道でベストタイム。 セクション1の好調さを維持した鎌野組も野村、斉藤に次ぐ好タイムを連発。 若干のペースダウンを喫してしまった増川組を抜き、それぞれ総合1位、2位でレグ1を終えた。 ペナルティを受けてしまった斉藤も2本のセカンドベストをマークし、ペースは全く落としていない。

クラス2

セクション1で絶好調であった内田組であったが、SS4、5でペースダウン。 その隙を突いて一気にペースアップをしてきた赤木/赤木組、加藤/柳沢組が2本の林道でベストタイムを分け合い、レグ1を同秒1位で終えた。

クラス3

セカンドタイムを並べ好調であった岩城組がリタイアするなど、リタイアが目立ったクラス3では、本間組がSS4でベスト、ペースを上げてきた和田/和田組がSS5でベスト。 畠山組がグラベル林道に少々苦戦する中、調子を上げてきたのはベテラン鳥海/佐藤組。 表彰台争いがいっそう白熱する形でレグ1を終了した。

パルクフェルメ

一日中、おもいっきり競技を楽しんだ選手たちは、車山高原スカイポート駐車場に設置されたサービス会場に戻り、車両にトラブルがないか入念にチェック。 雨もすっかり上がり、遠くの空には晴れ間ものぞく中、タイヤの空気圧調整など、明日のレグ2へ向けたセッティングに余念がない様子だ。 また、グラベル林道ではちょっとした走りの違いで大きなタイム差が開くようで、ライン取りや、ステアリングを切り込むタイミングなどをベテラン選手が若手選手にアドバイスするなど、ラリードライビングについてもレグ2への準備万端と言った様子だ。 2レグ制ということでいつもよりもコミュニケーションを取る時間がたっぷりあり、ラリーに対する理解をよりいっそう深めることができたようだ。 サービス後、ヴィッツをパルクフェルメ(車両保管)へ預けた選手達は、すがすがしい陽気の車山高原ペンションに宿泊するために指定されたペンションへと向かう。 各ペンションでは、オーナーが腕によりをかけた料理が振るまわれ、みなリラックスした雰囲気で過ごしたようだ。

レグ 2

一夜明け、天候も回復したレグ2。 各ペンションオーナーの送迎で集まった選手達は、SS9のレキ会場となる車山高原スキー場内特設ステージに続々と集合した。 レキ開始まで少々の時間がある中、選手たちの会話は昨晩振る舞われた料理やサービスの話題でもちきり。 各々リゾート気分を堪能することができたようだ。

セクション 3/4

レグ2は合計4本のSSで構成された。 レグ1のリピートステージとなるグラベル林道では、オーガナイザーが夜を徹した修復作業を完工。 準備万端で選手達を迎える。

クラス1

レグ1の勢いを凌ぐハイペースで野村組が後続を引き離す。 そのペースに着いていったのは、鎌野組と斉藤組。 増川組は若干遅れてしまうものの、トップグループのタイムを維持している。 最終SSも野村組が制し、タイム的にもシリーズリーダーの斉藤を上回り納得の今季初優勝。 「今日は悪い癖が出た。」としながらも野村組、増川組、斉藤組、トップ集団と堂々たる戦いを演じた鎌野組が2位表彰台。 3位表彰台には、力強いタイムを並べ続けた増川組が獲得。

クラス2

レグ1後半で赤木組、加藤組に逆転してしまった内田組であったが、一晩のリラックスが功を奏したか、再びハイペースを取り戻し、見事クラス優勝。 昨年のチャレンジクラスからのステップアップ組でもあり、今後に期待ができる結果となった。 内田組に再逆転を許してしまった赤木組、加藤組であるが、こちらも好タイムを連発。赤木組が加藤組を抑え2位表彰台を獲得した。 さらに柿澤/高橋組、田島/五十嵐組も好タイムを並べ見事に入賞を果たした。

クラス3

激戦となったクラス3の戦いの中で唯一アドバンテージを広げた本間組に対して連続ベストで怒濤の追い上げを開始した畠山組であったが、本間組も手綱を緩めること無く2番手や3番手タイムをキッチリと出し、畠山組を制して第2戦以来の今季2勝目をあげた。 また、ペースを上げてきた鳥海組と岩城組が惜しくもリタイアし、逆に昨日リタイアした中村組がスーパーラリー方式での走行で好タイムを出すなど、クラス3の争いはますます白熱しているようで、シーズン後半が楽しみな展開となってきた。

表彰式

2日間のすべての工程を思いきり楽しんだ選手達が、続々と表彰式会場の車山ハイランドホテルに集まる。 表彰式には車山ペンションオーナーにもお集りいただき、賑やかな雰囲気の中で表彰式が行われた。 グラベル林道が主体となるのは今回が初めて、「ラリーはやっぱりグラベル!久しぶりに思いっきり楽しむことができた。」「グラベル林道は予想以上に難しかった。今後の課題です。」などなど、充実したラリー経験が積めたことが選手達のコメントからうかがい知ることができた。

クラス1
優勝 野村 長/森脇克也
2位 鎌野賢志/竹平素信
3位 増川 智/馬場裕之
クラス2
優勝 内田 滋/足立正明
2位 赤木 攻/赤木弥生
3位 加藤 剛/柳沢清人
4位 柿澤廣幸/高橋健一
5位 田島正広/五十嵐恵利
クラス3
優勝 本間宇早美/坂本 岳
2位 畠山貴之/石倉せいじん
3位 和田早永/和田利明
4位 吉田訓亨/中山欣也
5位 山岸 健 /山岸佑也
6位 藤田彩子/藤田幸弘
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