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TRDヴィッツチャレンジ2007、いよいよシーズン後半戦!!

 いよいよシーズン後半戦へと突入するTRDヴィッツチャレンジは、5年ぶりに関西方面へ移動し、京都府南丹市美山町を舞台の中心にして開催された。

京都の中心から約1時間半の距離に位置する美山町は、町の中心に由良川の源流が流れ、川沿いにはかやぶき屋根の民家が多く残っており、山々に囲まれた風情豊かな景観で人気の観光スポットとなっている。

 スタート会場となった美山自然文化村には自然の恵みを生かしたキャンプ場や本館となる河鹿荘、野球場から文化ホール(表彰式会場)までさまざまな施設がそろっており、夏休みを楽しむ多くの家族連れが訪れていた。 キャンプを楽しむ子供たちも「パパ、あの車なに!?」と集合したヴィッツラリーカーに興味津々の様子。多くの関係者や見物客、メディアに見守られる中ヴィッツラリーカーが子供たちに負けじと元気よくスタートして行った。

 また、今回のステージはオーガナイザーの努力により全日本ラリー選手権でおなじみの林道を使用することができ、ヴィッツチャレンジの選手にとっては非常にチャレンジングな大会となっている。

 さらに、今回は前日にダートトライアルコースであるコスモスパークにて公式練習会が開かれ、選手達は本番さながらの設定で練習に挑んだ。
お互いにタイムを計りあったり、地元選手にコースの特長や攻略法を伝授してもらったりと関西に来ても相変わらずの和気藹々とした様子であった。

 地元選手たちがもったいぶることなくノウハウを教え合うというヴィッツチャレンジならではの練習会、ダートステージに慣れていない初心者選手たちにとってはこの上ない経験となったに違いない。


イベントデータ
主催 マッコーレ・ラリースピリッツ (MUCOLE)
開催日 2007年7月29日(日)
開催エリア 京都府内
スタート会場 美山町自然文化村
サービスパーク コスモスパーク
ゴール会場 美山町自然文化村
セクション数
SS本数 7本
SSトータル距離 約13km
総走行距離 約130km
参加台数 38台(クラス1:11台/クラス2:11台/クラス3:16台)
完走台数 36台(不出走0台)

ステージ概要

SS1/SS4/SS7

全日本ラリーでも使用される今大会のメインと言えるステージ。距離こそ2キロ程度と短いが、ストレート区間と連続カーブ区間が交互に出現する変化にとんだステージで関東の林道とは少しリズムが違うと言う選手もおり、まさにチャレンジステージといったところだ。

SS2/SS5

日吉ダムを見下ろす壮観なステージで京都のモンテカルロといった趣である。
ステージ中盤には長い下りストレートがあり、見た目も内容も迫力の林道ステージとなった。

SS3/SS6

数週間前には全日本ダートトライアル選手権が開かれるなど、関西屈指のダートトライアルコースであるコスモスパーク。
スタート直後にタイトコーナー、SCP10でも3速にはいるロングストレートからの高速コーナー、ドリフトが大迫力の高速スラローム。テクニカルさと勇気を要求される、コスモスパークを最大限に利用したステージとなった。

SS1

連続コーナーが続くかと思うと、スピードの乗るストレートが現れたり、湧き水によるウェット路面になっていたりと、非常にテクニカルなステージ。

クラス1

斉藤/伏谷組がすばらしいタイムで1番時計。 セカンドベストには同タイムで野村/森脇組、鎌野/坂井組が着ける。 ここのところ好走を続けている鎌野組は、「トップ3」の常連となりそうな強さを身に付けてきている。

クラス2

夫婦で長年参加している地元京都の小嵜/小嵜組がクラス1の中盤をも脅かすスペシャルタイムで堂々のベスト。 セカンドベストは同じく夫婦で参加の赤木/赤木組が見事に獲得。 ファーストステージではいかに息の合ったラリードライビングが重要であるかが覗える結果であった。

クラス3

クラスシリーズトップの畠山/石倉組が強さを見せベストタイム。
同じくタイトルを争う本間/アキラ組がセカンドベストかと思われたが、なんと若手の和田/小室組が本間組をかわし滑り込むという展開となった。

SS2

クラス1は成立したが、クラス2、クラス3それぞれでクラッシュが発生。
足止めを受けた車両が発生したため、公平性を考慮してクラス2、クラス3はキャンセルとなった。 その後リピートステージとなるSS5も、安全性を確保できるようコース設定変更などを試みたが、万全の事態を最優先して全クラスキャンセル扱いとなった。

クラス1

SS1に続き斉藤組が再びベストであったが、2番時計の野村組が僅差で続く展開となった。 3番手には鎌野組が続き、虎視眈々と最上段を覗っている様子だ。

SS3

コスモスパークをフルに生かした高速グラベルステージ。
スピードの中にもテクニカルさが要求される部分もある設定となっている。

クラス1

ここまで順調にトップタイムを並べてきた斉藤組に一矢射る走りを見せたのが岩波/石原組、グラベルでの強さを見せ付けた。 また、グラベルでも好タイムの3番手鎌野組に続き増川/馬場組もすばらしいタイムを叩き出した。

クラス2

クラス2では鈴木/和泉組がSCP10ヴィッツの限界を思わせる激走を見せ見事ベストタイム。 2番時計にはベテラン鷲尾/鈴木組がやはり限界走行で続き、柿澤/高橋組も同タイムのすばらしい走りを見せた。

クラス3

シリーズトップを争っていた本間組が残念ながらリタイアとなってしまったクラス3では、畠山組がなんとクラス2を凌駕するタイムでベストタイム。
2番手にはグラベルに強い鳥海/佐藤組、3番手にはベテランラリーストの吉田/正谷組が入り強さを見せた。

SS4

SS1のリピートステージ。

クラス1

SS1に続き齋藤組がベストタイム。 各選手、若干のタイムダウンを期す中、鎌野組がタイムロスを押さえて2番時計、コンマ差で野村組がそれに続いた。

クラス2

SS1で後続に1秒以上の差を付けた小嵜組がさらにタイムアップし再びベストかと思われたが、調子を上げてきている柿澤組がコンマ2秒小嵜組をしのいでクラスベスト。 さらに松岡組がコンマ差で3番手タイムを出すなど、クラス2は相変わらずの僅差の争いとなっている。

クラス3

クラス3ではまたもクラス2トップグループに迫るスピードを発揮している畠山組がベストタイム。 2番時計の和田組も難易度の高い林道SSにも関わらず素晴らしいタイムを出している。

SS6

再びコスモスパークでのSS4。 SS3の完全リピートであるため、いかにタイムを縮められるかが課題となりそうだ。

クラス1

SS3では岩波組にリードを許した齋藤組であったが2秒以上のタイムアップをはかってベストタイム。 岩波は若干タイムダウンしてしまうもののそれでも2番手タイムとやはりグラベルで素晴らしい走りを見せている。

クラス2

クラス2では地元小嵜組を柿澤組が怒濤のプッシュで追い上げる展開となっているが、ここで柿澤組が小嵜組を1秒近く上回るスペシャルタイムをたたき出し見事逆転を果たした。 3番手にはターマックでの走りに定評がある佐々木組が入る。

クラス3

クラス2と合わせても2番手タイムとクラス破りの素晴らしい走りを見せた畠山組がSS3に続きベストタイム。 2番手には迫力の走りの中にも丁寧さが光る鳥海組がコンマ1秒差で入り、グラベル路面での強さを見せつけている。

SS7

SS1、SS4、SS7と、3本目のリピートとなる最終ステージ。 各クラス相変わらず僅差の争いを呈しており、集中力を絶やさず最後までタイムアップを図れるかが勝負の分かれ目となりそうだ。

クラス1

トップタイムを連発する齋藤組に対し、野村組が最後の最後で得意の林道SSで1秒近い差を付けてベストタイムをもぎ取り、SS3の岩波に続き一矢報いる走りを見せた。 また、3番手には昨年のチャレンジクラス(クラス3)のチャンプであるみつなり/蟹江組が入り、クラス1においてもトップ争いができるほどの成長を見せた。

クラス2

クラス2トップを走るコドライバー達が口々に「2分30秒を切れるはず」と言っていたタイムをついに柿澤組が実現。 小嵜組も再逆転を狙ってペースを全く落とさない走りを披露したが、後一歩及ばず、柿澤組の優勝が決定した。

クラス3

大量のリードを築いている畠山組が最終SSもベストタイム。 ライバル本間組が不在とはいえ、文句無しの今大会オールベストで見事クラス優勝を飾った。

表彰式

表彰式は毎年全日本ラリーハイランドマスターのゴール会場でも使用されているシャレー中西で行なわれた。 ホテルと主催クラブの好意により大浴場も利用することができ、選手やサービス隊には好評だったようだ。 また、表彰前に「今日、一番元気にラリーをしていた賞」を主催クラブが用意。普段から元気にオフィシャルや観客に声をかけている、まさにヴィッツチャレンジを盛り上げている選手達が表彰され、会場からは盛大な拍手が送られていた。 「ラリーはみんなで作るもの」という主催者のラリーシップとヴィッツチャレンジが見事に融合した一幕であった。

クラス1
優勝 斉藤 邦夫/伏谷 裕士
2位 野村 長/森脇 克也
3位 鎌野 賢志/坂井 智幸

前戦では思わぬミスで順位を落としてしまった斉藤組が、難しい状況の中きっちりと走りきって再び最上段へと上った。 また、序盤のクラッシュで順位を落としていた野村組みが鎌野組を見事に逆転して2位表彰台を獲得。

「なかなか斉藤選手には敵わない、たまにはポジションを交換してもらえるように頑張りたい。」(Dr.野村選手) 「斉藤選手には敵わなかったが、野村選手に逆転されたのは悔しかった、今回はいつもとコドライバーが違ったが良いコンビネーションが取れました。」(Dr.鎌野選手)

クラス2
優勝 柿澤 廣幸/高橋 健一
2位 小嵜 治男/小嵜 和女
3位 松岡 淳 /武田 宏一

地元ということもあり貫禄の走りを披露していた小嵜組を柿澤組が逆転、見事初優勝を獲得した。
「最初の2戦で不甲斐ない走りをしてしまったので、コドライバーの所有物であるヴィッツを強引に借りて一ヶ月間練習してきました。今回の優勝は本当にうれしい。」(Dr.柿澤選手)

「地元ということで懸命に走りトップをキープできていたのですが最後に逆転されてしまった。しかし(自分にとって)ヴィッツチャレンジ最上位の2位を獲得できてうれしいです。」(Dr.小嵜選手)

クラス3
優勝 畠山 貴之/石倉 せいじん
2位 和田 早永/小室 健太
3位 岩城 のぼる/高橋 功
4位 鳥海 幸弘/佐藤 孝一
5位 中村 武司/筒井 敬子

シリーズ首位の畠山選手を1ポイント差で追っていた本間組が痛恨のリタイアするなか、きっちり走りきって優勝。 2位表彰台は若手和田組が岩城組を制し見事獲得、すがすがしい笑顔で表彰式を飾った。

「シリーズ争いをしている本間選手がリタイアしてしまっての優勝なのでなんだか複雑な気持ちもありますが優勝できたことはとてもうれしい。」(Dr.畠山選手) 「今回は友人をコドライバーに誘って出場しましたが、思わぬ順位が取れて嬉しい。」(Dr.和田選手) 「仮ライセンスで出場しましたが、ラリーはとても奥深く楽しかった。勉強そっちのけではまってしまいそうです。」(Co-Dr.小室選手)

次戦Rd.5はハイテンポラリーが特長の中部ラウンド。 クラス1では斉藤選手がチャンプ獲得に王手をかけている状態であるが、シリーズ順位争いは各クラス激戦の様子を呈しており、次戦、9月30日までの2ヶ月間のインターバルを、車両の整備、練習といかに有効に使うことができるかが、シリーズの行方を決める要素となりそうだ。

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