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シリーズ開幕から7ヶ月。 「かわらずの笑顔」「真剣な眼差し」
それぞれの勝利を信じて選手達はスタートランプを超えていく!

関係者、選手達の意見やアイデアをいち早く取り入れ、「質の高いステージ」「テンポの良い快適なラリー」「サプライズ」をヴィッツチャレンジにもたらしてくれることで毎年好評な長野ラウンドが10月21日(日)長野県内において開催された。

最終戦にふさわしくフルグリッド目前の59台ものヴィッツが再び長野に再集結。 今回は「選手宿泊」「スタート会場」「ゴール会場」「表彰式」と全ての行程を、県内きっての規模とサービスを誇る「信州松代ロイヤルホテル」の協力のもと行なうこととなった。 前日から集まる色とりどりのヴィッツに、「全国から集まるんですか!?」と興味深々に選手達に話しかける観光客も見受けられた。

またスタート前夜には、選手有志によるが懇親会が開かれ、ラリーとヴィッツチャレンジに対する意見やアイデアやそれぞれの想いを熱く語り合っていた。


イベントデータ
主催 トヨタモータースポーツクラブ(TMSC)
チームプロクルーズ(T-PROCREWS)
開催日 2007年10月21日(日)
開催エリア 長野県内
スタート会場 長野松代ロイヤルホテル
サービスパーク 菅平裏太郎駐車場
ゴール会場 長野松代ロイヤルホテル
セクション数
SS本数 6本
SSトータル距離 約9.5km
総走行距離 約190km
参加台数 59台(クラス1:12台/ クラス2:15台/クラス3:32台)
完走台数 58台(不出走0台)

いよいよスタート!

寒くもなく暑くもなく、過ごし易く気持ちのよい快晴となったスタート会場。
松代ロイヤルホテルで快適な一晩を過ごした選手達は、早朝にもかかわらず元気いっぱいの笑顔でスタート! スタートゲートをくぐり抜けて行く選手達の表情は7ヶ月前の開幕戦の時と変わらない「笑顔」であるが、成長した選手達の表情の奥にはそれぞれの目標に向かうチャレンジ精神を見て取ることができた。

ステージ概要

毎年、ロング林道SSが用意されることで選手達から期待が持たれている長野ラウンド。今年は毎年使われる林道と、新たな林道をコースに加えた計2カ所4ステージの林道SSという、まさに林道三昧という「サプライズ」が選手達に届けられることとなった。

SS1/SS4

今回新たに加わった林道ステージ。毎年使われている林道よりもタイトなためテクニカルなコーナーが点在しているコースだ。全く新しいステージなため、1回のレキでいかに精度の高いペースノートを作れるかが勝負の分かれ目となり、この1年間のドライバー、コ・ドライバーのパートナーシップの成果が現れる一幕となりそうだ。

SS2/SS5

ここ数年使われている「スラローム」「連続ヘアピン」と林道の醍醐味がてんこ盛りのヴィッツチャレンジきっての名ステージ。今年は夏の台風などの影響で荒れてしまった林道をオフィシャルが懸命に清掃し、2.5キロの距離を確保。クリーンになった林道をヴィッツラリーカー達が元気よく駆け上がる。

SS3/SS6

こちらもヴィッツチャレンジ初期から峰の原スキー場の協力で実現しているステージ。例年は広場でのグラベルジムカーナをこなし、一気にスキー場上部へとグラベルの整備路を駆け上って行くという設定であったが、今年はなんと逆走のスキー場整備路の中腹からスタート。一気に下りおりてグラベルジムカーナに挑むという下りの難しさを加え、選手達の技量を計る設定となった。

セクション1(SS1〜SS3)

クラス1

SS1、「地元長野のメンツにかけて走った」という岩波/太田組がベストタイム。今シーズン圧倒的な強さを見せてきた斉藤/見細津組に対して1.7秒もの差を付ける幸先のよいスタートとなった。2番手にはやはり林道に強い野村/荒井組がコンマ6秒差で食らいつく。 続くSS2では斉藤組が反撃を開始し、2番時計の野村組に対し1.3秒、3番手の岩波組に対しなんと2秒以上もの差をつけて午前の林道セクションをトップで通過した。またこの2つのSSでは3強に迫る速さでみつなり/蟹江組が4番手入りし、上位進出を伺っている。 SS3、ここで強さを見せたのはジムカーナ選手でもある斉藤組。絶妙なブレーキング、ライントレースでベストタイムを獲得。続く2番時計にはここぞという場面で上手さを見せる増川/馬場組が入る。 午前のセクションは結局、斉藤組がトップで通過することとなったが、スタートダッシュが効いた岩波組に野村組が続き、3車ほとんど差がない状態で午後のステージへと挑むこととなった。

クラス2

3クラスの中で唯一チャンピオン争いが続いているクラス2では、シリーズトップの松岡/武田組をシリーズ2位の赤木/赤木組が追いかける展開と思えた。しかし、SS1、SS2の林道SSでその両者を出し抜いたのが柿澤/山崎組。とくにSS2では2番時計の松岡組に3秒以上もの差を付ける快走を見せた。また、この2つのSSの3番手には柿澤と同じく長野が地元の内田/足立組が強さを発揮した。 続くSS3では中村/今井組がベストタイム。前回3位表彰台を獲得した鈴木/青島組がセカンドベストを獲得した。

クラス3

エントリー台数31台と盛況のクラス3。前回シリーズ優勝を確定させた畠山/石倉組が初使用となるSS1でまずはトップタイム。 続くSS2では前回2位入賞と調子を上げてきている中村/筒井組が畠山組に1.4秒もの差をつけベストタイム、この2組がクラス2トップ陣に迫るスピードで林道セクションを駆け抜けた。 SS3ではテクニカルなコースにベテラン勢が力を発揮し、ベストタイムは鳥海/佐藤組、2番手に岩城/高橋組、3番手に吉田/中山組という順位で林道とは全く異なる展開となった。

サービスパーク

今回のサービスパークは菅平スキー場裏太郎駐車場。
昼食はサービスパークの向かいにあるペンション「鈴蘭館」にて、特製の牛丼とカレーが選手に振る舞われた。その数選手だけでも118食!オープンテラスや風通しのよいレストランで選手達はしばしのリゾート気分を味わった。

セクション2(SS4〜SS7)

クラス1

3強がほとんど差の着かない状態でスタートした午後のセクション。

岩波組がSS3で再びベストタイムを叩き出し、トップの座を2番手斉藤組から見事に奪取。しかし、ほとんど差も無く3番時計の野村組もピッタリとマークしている。3強の直後に続くみつなり組であるが、なんと午前のセクションで痛恨のTCペナルティで順位を落としてしまうという波乱が起こる。3強に迫るタイムを出し続けただけに惜しまれる結果となったが来年に向けての良い成長を示すことができようだ。

そのみつなり組をかわして4位に進出してきたのはみつなり組と同じくステップアップ組の鎌野/竹平組でやはり3強をピタリとマークしている。 続くSS5では再び斉藤組がベストタイム2番時計の岩波を再び逆転シーソーゲームは最終SSへと持ち込される。 その最終SS、斉藤組が本領を発揮し岩波組に2.5秒もの差をつけて見事優勝を勝ち取った。 逆転を狙っていた野村組は、SS6で痛恨のフライングペナルティ10秒を受け結果4位。その隙を突いてSS6セカンドベストとなる快走を見せた鎌野組が見事に3位入賞を獲得。

クラス2

午前に続き柿澤組の快走はあいかわらずで、SS4では再び2番時計の内田組に3秒もの大差をつける力走で独走態勢に入る。 昨年のチャレンジクラス(現クラス3)からステップアップし成長著しい内田組もSS4、SS5で粘り強く2番時計を獲得。SS3でのパイロンタッチで5秒ものペナルティを受けてしまったものの松岡組との2番手争いを演じている様子だ。

しかし、今シーズン最後のSS6では松岡組がキッチリと走りきりベストタイム、内田組をかわし2位入賞でシリーズ優勝を獲得! 加藤/柳沢組、柿澤組、内田組も同秒3番手タイムで接戦を見せたが、柿澤組が大量のリードを保って見事地元優勝を果たした。

クラス3

畠山組と中村組の接戦で午後を迎えたクラス3。 まずはSS4で畠山組がセカンドタイムの山岸/山岸組に2秒差を付ける快走で一歩リードするが、続くSS5では中村組が再びベストと、このクラスでもシーソーゲームが展開された。
  そして最終SS6でなんと畠山が2秒以上のロス。ここで中村組がクラス2と合わせてもベストという対照的な走りにより実力で優勝を勝ち取った。

表彰式

選手たちは松代ロイヤルホテルに戻り、最終戦のゴールを切った。表彰式がはじまるまでの間に大浴場に入って体を癒す選手や、今日一日のラリー談義をする選手など、相変わらずリラックスした雰囲気が会場を包む。

クラス1
クラス1
優勝 斉藤 邦夫/美細津 正
2位 岩波 敏樹/太田 弘志
3位 鎌野 賢志/竹平 素信

「今日は岩波選手と最後まで接戦でした。いつもの位置に戻ってきたなと思いました。」(1位Dr.斉藤選手)
「今日は長野のメンツに懸けて走りました。斉藤選手と張り合えたことで定員乗車仕様でも勝てることが証明されたと思います。今年でラリーを休もうかと考えていましたがWRCに出れるかも!?という新しい目標ができまして、まだ冗談半分な夢ですが真剣に頑張ってみようかと増川選手とともに企んでいます。」(2位Dr.岩波選手)

「今日はスタートからペースが上がらず半ば諦めていましたが、コドラからラリーは最後まで分からないと言われ最後まで頑張りました。なんと野村選手、みつなり選手が脱落して表彰台を獲得出来ました。」(3位Dr.鎌野選手)
「最後まで諦めるなとドライバーに言って2ステージから段々盛り返して表彰台に上がれました。本当にラリーは最後まで分かりません。多くのラリーやダートトライアルを経験してきた私がなぜヴィッツチャレンジに参加したかと言うと、これからの主流なラリースタイルとなるであろう現代版ラリーを体験してみたかったからです。すばらしいラリー競技が行なわれていてこれからの期待が持てると感じました。」(3位Co-Dr.竹平選手)

クラス2
クラス2
優勝 柿澤 廣幸/山崎 哲朗
2位 松岡 淳/武田 宏一
3位 内田 滋/足立 正明
4位 加藤 剛/柳沢 清人

「ダートラ仲間を誘って出場しました。長年親しんだダートトライアルの目線からペースノートを作ってくれて林道を思いっきり攻めることができました。」(1位Dr.柿澤選手)
「初参加でしたがペースノートも上手く作れてドライバーのスーパーテクを無駄にせずに済みました。」(1位Co-Dr.山崎選手)

「今日は本当に奇麗な林道をオフィシャルの方が用意してくれて気持ちよく走ることができました。内田選手のパイロンタッチに助けられて2位に上がることができました。」(2位Dr.松岡選手)
「準備不足なところが多々あってコドライバーに注意されることが多かったですがなんとか走りきることができました。」(3位Dr.内田選手)
「今日は本当に楽しく走ることができました。内田君には厳しくしましたがまだまだこれから経験を積んで行く選手だと思うので頑張ってほしいです」(3位Co-Dr.足立選手)

クラス3
クラス3

「前回に引き続きまたまた奇跡が起きました。今日はコドライバーの言いつけを守って頑張りました。」(1位Dr.中村選手)
「今年は皆さんに応援していただいて勝つことができましたありがとうございました。」(2位Dr.畠山選手)
「またまた定位置の3位ですが、3位に入れることができるこのヴィッツで若い選手に頑張ってもらえないかなと思っています。(売り出し中)」(3位Dr.岩城選手)

優勝 中村 武司/筒井 敬子
2位 畠山 貴之/石倉 せいじん
3位 岩城 のぼる/高橋 功
4位 山岸 健/山岸 佑也
5位 吉田 訓亨/中山 欣也
クラス3クラス3

待望の新型RSクラスの発進、混戦を極めた1000ccの2クラスと、各クラスそれぞれの選手達が「自分の目標」を掲げて走りきった2007シーズン。今回のヴィッツチャレンジin長野ではその名の通り、多くの選手達が目標へと大きく成長し活躍することが確認できた。 来シーズンはさらなる目標を胸に、多くのヴィッツチャレンジャー達が再び集結することであろう。

今シーズンはRd.7長野を持って終了となるが、12月15日(土)大手町サンケイプラザに於いて開催される『2007サンクスパーティ』にも多くの関係者にご参集していただきたいものである。

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